子役ママの心得2 欲深きは破滅なり
と、 偉そうなタイトルでございますが
本日は ちょこっとばかり 子役の世界 の お話をしてみましょう。
子役ママの心得2 欲深きは破滅なり とは!
次女の 子役時代を 振り返りたいと 思います。
子役の お仕事を するにあたり
事務所から 言われたことです。
電話の傍に、ペンと紙を 常に おいておいてください。
ファックスを受信できる状態にしておいてください。
NG日を きちんと出してください。
お仕事の際の交通費は 基本として出しません。
オーディションに合格しなくても 交通費は もちろん出ません。
お仕事をした 4ヶ月後に 報酬が支払われます。
立派な事業主ですから、確定申告を 必ずしてください。
もちろん。
こどものするお仕事ですから
生活がかかっている~ という状況ではありません。
が、
パンフレット掲載費用。
宣材(オーディション等へ出す書類につける写真)費用。
落ち続けるオーディションの交通費。
時間。
精神的負担。
得になる状況にまで 売れっ子になれる子役やタレントは 一握りです。
幸いにも、次女は、売れっ子と呼ばれる 子役になりました。
お友だちには、ドラマや映画で活躍する
いわゆる子役上がりの方々が たくさんいます。
その中で、
むしろ彼女は
モデルや CMのタレントとして 活躍しておりました。
実は、ドラマや映画は 知名度こそ上がりますが
ギャラの面では、CMが一番。
そして、モデルのお仕事は 企業がらみになると
とても 高い報酬をいただけます。
ドラマや映画の報酬は、交通費ギリギリのようなことも有ります。
それでも、たくさんの方に 知っていただくという意味では
これほどに 優れたメディアはありません。
また、人に感動をあたえることのできる作品は
広告の世界では、稀有なことで、ドラマや映画ならでは のことです。
電波の垂れ流しによる
無料の媒体ほど 視聴者の数は多く
雑誌などの有料の媒体は 限られた消費者ターゲットになります。
現在は、お金を払って情報を得る人は
たんと少なくなりましたから。
そういった意味では
彼女は 老若男女から 好かれるキャラクターであったので
CMや広告の媒体で 重宝されたのも頷けます。
役者は、
ある層に受け入れられるということが とても大切です。
そのかわり、ある層だけで受け入れられていることを
すべての人に受け入れられらると 勘違いして
欲を持った途端に、その人は終わります。
これは、どの業界でも言えることです。
売れっ子と 言われるようになった 彼女も
最初の一カ月は
受けても受けても、オーディションに落ち続けました。
3次4次まであるオーディションの最終までいくのに
最後で落ちる。
それでも、オーディションをいただけるということは
書類選考に出していただき、面接と言う
オーディションに呼んでいただけるという
大変、光栄なことです。
書類さえ通らない子役の数を思えば
必ず、書類に通り、「会ってみたい」と
思っていただけることが、本当にうれしいことでした。
最初の 子役事務所には
登録料 30万円を支払ったのですが
あまりのオーディション落ちに
「まあ。こんなものだよね…」
と、徐々に諦めの気持ちにもなりました。
(今、思うと、落ち続けるくらいに
オーディションの チャンスをいただいていたことが
本当に ありがたいことです)
オーディションへ行くにも、見知らぬ場所を尋ね
そこで、懸命になる みすぼらしい心の親子を見て
「ああは なっちゃいかんよね~」と
妙に 冷静さをもつようになった あたりから
次々と お仕事が 決まるようになりました。
デパートへ 買いものに 行く時も
当時、持ち始めた携帯電話で 家の留守電を 聞けるように設定し
1時間ごとに点検し、事務所からの電話を聞けば
すぐに、事務所に連絡をしていました。
次第に、携帯へ直接、営業のマネージャーから
「○日、オーディション入れてもいいですか?」と
確認のお電話を いただくようになりました。
いわば、次女のお仕事優先で 過ごした日々が
事務所の信頼を 勝ち取ったのです。
もちろん。
ギャラがいくら?
なんて聞きません。
お仕事をいただけるということだけで 嬉しかったから。
ギャラが入って初めて、あの仕事はこの金額なんだと知りました。
比べる仕事が増えるごとに、
ギャラと 広告宣伝との 兼ね合いということも
理解できるようにもなりました。
すべてを 喜びに変え
損得などの 勘定なしに
感情もなしに
できることの結果、やったことの結果として
受けとめる境地になりました。
今。
世の中に出ると、欲をかいて
仕事を失う人間の多いことに驚かされます。
お仕事の有ること。
お仕事をさせていただくこと。
どうして、それに感謝ができないのだろうか?
…と。
あなたの代わりなんて、いっぱいいるのに
自分でしかできない仕事をしているわけではないのに
よくも 偉そうなことを言えるな~と
驚くことが いっぱいです。
次女も、私も、常に、お仕事をいただいて
ありがとうございます
その気持ちだけでした。
あなたはズルい と言われることもありました。
幼稚園時代、
あるお子さんの母親が
「次女ちゃんは、どうして、雑誌やテレビに出てるの? ずるいなあってうちの子が言うの」
と、言いました。
じゃあ。
50万の投資をして、見返りなくても
いい勉強になったと言える気持があるの?
と、言いたい気持ちを押さえて
黙って、心の中で 嘲笑しました。
なにもしないで、幸福が手に入ると思っているの? と。
N商IWAIの部長クラスの奥様で
自分の夫は エリート
妻の自分も 他の奥さんとは違う
子どもも 他の子より優れていると
思いこんでいるような人。
なのに、
貧乏人の次女がタレントなんて
華やかな世界を味わっていることが 許せなかったのでしょう。
そのお子さんは、次女を あからさまに 仲間外れにしました。
「今日、私のうちに来たい人~この指とまれ!」
次女が、その指にとまろうとすると
「はい!もうダメ!」
次女が「とても悲しい」と 泣いたことがありました。
「可哀相だね。 その子。 次女ちゃんのことが羨ましくて仕方ないンだよ。
お友だちは、その子だけじゃないし 応援してくれる人がいっぱいいることに ありがとう って 感謝しようね」
私は、そう言いました。
年間契約のCMでは 何100万円というギャラをいただいたことも有ります。
かと思えば、
何日も 映画の撮影で 拘束されて、何千円ということも。
それでも、すべてを通して、
経験も 経済的にも
どれだけの価値をいただいたか…
と思うと
それは、金額の上下ではありませんでした。
今。
欲をかいて、せっかくの人間関係を 悪くさせていく人の多さに
時々、吐き気を催すぐらいに 悲しくなることもあります。
金銭欲
名誉欲
物欲
性欲
権力欲
そんなものに 執着して、失うものの多い人を たくさん見てきました。
彼女は 今も
感謝の心を 忘れません。
そして、欲も無く、自分のできることを 探しています。
それは、魔女と呼ばれる 私も同じ。
次女が高橋真唯さんの妹役として映っています。
佐藤祐市監督に、試写会の時
シムソンズくまちゃん ~ という 手造りのぬいぐるみをプレゼントさせていただきました。
歌手の 篠原ともえちゃんが、
いつも手作りのお衣装やアクセサリーでライブをします。
自分の心を みんなに見てもらいたい~
そんな気持ちが 伝わります。
彼女のシムソンズくまちゃんは
佐藤祐市監督への 心を込めた感謝の気持ちでした。
ドラマ「ウォーターボーイズ」の監督が初メガホンをとった映画。
たくさんの人の心のこもった映画でした。
この出会いと、時間を共有してくださった方がたに
心から感謝です。
今日も一日…ありがとう。
子役ママの心得 シリーズ
お時間ございます方は、
今COCO にある ESSAYS IN IDLENESS – 徒然なるままに の
拙文を お読みいただけましたら 幸いです。
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