学校運営について
戦後から続く、定時制高校としての役割を現在も持ち続けている貴重な高校。
現在の定時制高校の役割は、働く者の教育活動だけでなく、多種多様のニーズに応えていかねばならず、そうした面でも、この高校の役割は、大変、重要であると感じる。
様々な状況を抱えて生き抜かねばならない生徒にとって、定時制という学校の持つ包容力のある勉学の場は、不可欠な場所である。
定時制の閉課程が続く現在、伝統ある定時制高校として存続してもらいたい。
また、家庭の状況が多様化し、問題点を抱える生徒に対して、学校側が、投げ出さずに、精一杯の対応をし、生徒の生活指導を頑張っている面は、頭の下がる思いがする。
しかし、教師として、定時制であっても学校という場で、生徒のために一番に力を注いでいきたい面は、学問を通じての、生徒の世界や視野を広げてやりたいという思いが大きいのでは無いかと思う。
定時制高校という場では、難しい部分もあるのだろうが、他の全日制の都立高校でも、生徒指導に追われている教育現場の現状もあり、都立高校全体で、教員にも余裕の感じられる現場作りを可能にすることで、生徒の中にも、他人を思いやれる余裕が生み出されていくのではないかと思われる。
具体的解決方法は、思い浮かばないが、まさに現場にいる教員の声を、もっと拾うことのできる教育委員会としての懐の大きさを望みたい。
見学した授業について
生徒の皆さんが、席について、授業をしっかりと受けている姿に、勉学への姿勢を感じた。
また、定時制の学校ならではの定員の恩恵を受け、あるいは、仕事面での都合もあると思われるが、一学級に15〜20名程度の授業が行なわれ、生物の顕微鏡を使った観察などは、マンツーマンに近い形で、教員のフォローのあることに、大変、恵まれた教育環境であると感じた。
英語・数学に関しては、中学英語・中学数学の基礎の部分から丁寧にやり直しする姿が見られ、生徒にわからせたいと努力されている教員の皆さんのご努力が伺えた。
進路指導、施設、地域との関わりについてなど
新しい校舎で、とても快適な環境であると思う。
進学や就職といった、進路指導も、入学当初からの指導によって、生徒の意識が高められていることは、大切なことであると思う。
定時制高校という、夜間の生徒の登下校に関して、地域に迷惑をかけているとの気持ちから、奉仕の時間で、公園清掃などを通じて、お詫びとお礼の気持ちを、生徒の内に育む教育は、とても好ましく感じる。
No Comments