私、現在、東京都の教育モニターをしております。
都立学校の授業参観をし、その報告書を提出。
年に2〜3度の教育委員会のアンケートに解答。
交通費、謝礼は無し。
授業参観、報告回数に関わらず、図書カード1枚を進呈。
まったくのボランィア活動。
なぜ? そんな面倒くさいことを?
趣味としか言いようがないかもしれません[E:coldsweats01]
山を登るものに「なぜ山に登るの?」と聞いて
そこに山があるから
と答えた登山家がいたと言われていますが
私も、登山家なのかもしれません。
(あえて、アルピニストという言葉は使いません)
先月。
教育庁で行なわれた説明会に出かけました。
そこに集まった一般庶民は100名。
(教育モニター募集には212名の応募があり
提出した作文内容により、そこから100名が選出)
それは、全くの無報酬のボランティア。
(教育に興味があるから、自分が役に立つことができるなら…と
趣味のような領域で、だからこそ、報酬など誰も期待していない)
その中に、手話通訳を必要とされる方がいらっしゃいました。
とてもお若い方で、聴覚障害をお持ちの中で
こうした会に参加されることを
とても嬉しいことだと影ながら思っていました。
途中で、映像が流れ、会場は、真っ暗になりました。
これでは、聴覚障害の方は手話通訳を読み取れません。
映像が切りよく変わる瞬間に、つい、堪えかねて声を出しました。
すみません!
手話通訳を必要とされている方がいらっしゃるようですので
もう少し、会場を明るくしていただけませんか?
会の終了後、手話通訳をされていた方たちに
声をかけていただきました。
「ありがとうございます。
打ち合わせで、映像を流す時に
電気を薄く残していただくお約束になっていたのですが
全くの暗闇にされて、手話を必要とされている方も
「仕方ないですね」と諦めていたのです。
これまでに、聴覚障害の方の参加は無かったと言われてしまって。
一般の方から、声を上げていただいて、本当に助かりました。
今後の活動にも、手話通訳をつけてくださいと
教育庁の方にお願いしたのですが
「前例が無いから」と言われてしまって…」
「それは、おかしいですね。
様々な立場の人間の声を広く受取りたいという趣旨の会で
今後の活動も、すべて無償のボランティアですのに〜。
手話通訳無しで、出かけることはできませんよね。
教育に携わるお仕事をされていらっしゃる方が
手話通訳を必要とされている方の存在を忘れて
電気を真っ暗にしてしまうということに
私などは、教育の貧しさを感じてしまいます」
手話通訳を必要とされる方が、真っ暗な会場で
どうやって、知ることができるだろうと
想像できた人間が、どれだけ、いたのでしょう?
別に、私は自分が偉いなんて、思っちゃいません。
これが、子どもたちの集まりだったら
必ずしや、数人が〜数十人が、声を上げたことだろうと思います。
子どものことを考える会に参加する人間が
子どもの目線に立てなくて、何が教育を考えるのでしょう。
私には、聴覚障害をお持ちの友人がいます。
彼女は、手話通訳をお願いするにも心苦しくて
子どもの学校行事に参加することさえ
躊躇してしまうと話してくれました。
まして、交通費さえ出ない、ボランティアとしての活動。
この若き青年は、どれだけの勇気を出して参加したのでしょう。
その彼の気持ちを、私は、本当に尊いことだと思います。
そういう人を、心から尊敬し、応援したいと思います。
もっと、手話を勉強しておけば良かったと思います。
聞きたい言葉を聞けないために、外に出ることさえ
迷惑をかけると我慢を重ねている人のために
言葉を届けることが、私にできたら〜と、思わずにいられません。
そして、私は、教育庁に下記のメールを送ったのでした。
教育モニターという貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
昨日、某高校の授業参観に伺わせていただきました。
先月の説明会の折、手話通訳を必要とされる聴覚障害をお持ちの方が
教育モニターをされていることに気づきました。
障害を苦にもされずに、こうしたボランティア活動に
しかも、教育について知ろうとされていることに、頭の下がる思いがいたしました。
また、教育庁の中に、障害をお持ちの方への積極的参加を支援される
寛いお心のあることが、とても嬉しく感じております。
しかし、映像を見る時に、会場が真っ暗になり
手話通訳が見えない状況になったことを、大変、残念に思いました。
その時、不躾ながら「会場を少し明るくしてはいかがでしょう」と
申し出ました私の言葉を、すぐに受取ってくださり
大変感謝しております。
昨日、授業参観に参加いたしまして、聴覚障害をお持ちの方が
手話通訳無しに、授業を参観されること、また、懇談会で
学校側との前向きな検討会に参加することは
大変困難ではないかと感じました。
東京都では、手話通訳のボランティアも大変盛んで
障害者の自立支援についても、大変、力を入れている自治体だと
私は、感じております。
聴覚障害の方とは、先日の説明会で、その存在を知っただけですが
こうした障害をお持ちの方の参加は、有り難いことと感じております。
まったく、面識の無い私が、こうしたお願いをすることは
本当に無作法なことだとは、重々承知ではございますが
ぜひとも、障害を持ちながらも、教育に対して知ろうという
お気持ちを持たれていらっしゃる方へ、手話通訳という
ほんの少しの支援を、教育庁の方々の中で、ご検討いただきたく
こうして、メールを送らせていただきます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
私は、東京都の教育に公立中学2年生と都立高校2年生の
二人の娘をお預けしている母親です。
大切な子どもたちの未来のための教育を
ともに考えようとしてくださる方が
参加したいと願う機会を、どうか、生かすことのできる
東京都であってもらいたいと、一市民として感じております。
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