夏休みの宿題である高校訪問に出かけた。
中2の高校訪問を、おかしいとか、嫌だと言ってるわけではない。
この時期、興味のある学校を見ておくことは、決して無駄ではない。
ただ、高校では、それぞれに見学日や、説明会を設定してくれている。
できれば、その与えていただく日に伺うべきではない?
と、私は思うわけだ。
「この日とこの日が空いているの」
「でも、この日にしてくれないと困るの!」
そんな風なアポイントで、良好な人間関係を作れるでしょうか?
ということを、夏休みの宿題に感じてしまう。
というわけで、別に、個人的なアポを取らずに
高校側で設定してくださった日に、見学へ出かけた。
秋になると、入試問題も含めた説明会や相談会もあるので
なにも、夏休みでなくても~と
心の中で思いつつ、暑いアスファルトの道を歩いて出かけた。
私立の高校は、耐震工事中で入試案内をいただいて
校舎の外観を見て回った。
大学は、新改築ブームで近代的な建物へと工事が進んでいる。
幼稚園、小学校、中学校、高校、短大の校舎は
昔のままに保存しつつ、今の生徒のためにベターな教室へと
個々に相応しい対応をしている。
確かに、古さを感じる。
先日訪れた国立の附属高校の、木造校舎を守りつづけようという
伝統あるこだわりの古さには敵わないけれど
キリスト教の教えを伝えつつ、子どもたちのために、よりよい教育を与え続けてきた揺らがないキリスト教精神の流れるこの学校に聖書の時間や、日々の礼拝活動、オルガン部やハンドベル部といった、宗教を通じた役割を望めば得られる~という環境は、親として、我が娘には、合っているかもしれない~と思う。
さて、その後、都立高校を見学した。
進学重点校にあたるその高校。
副校長が今年赴任されたばかり。
前年、生徒の国公立への進学率が上がったこともあり
「今までで、一番レベルの高い高校へ赴任してきました」と
嬉しそうな姿に、「勉強ができるから子どもが可愛い」という本音も見え隠れする。
「塾に行かせる必要もない学習環境を作っています」
と、夕方の自習室の完備。
(それが、定時制高校の閉校で空いた食堂の利用だったのが、少し寂しい)
卒業生の支援による予備校講師の派遣。
なんとなく、親の期待通りになるから我が子が可愛い~という
子どもに価値を与えている親のようにも思えた。
自分自身をも省みながら
そうじゃないよな~
という思いが沸き起こる。
「校長が変われば学校が変わるとは良く言ったもので
昨年度、校長が見えられてから、国公立の進学率が上がりました」
確かに、おっしゃるように、それだけの力がありながら
発揮出来る環境を作っていなかった~としたら
それまでの、校長をはじめ教職員は自らを恥じてもらいたいと思う。
その隠された力を発揮させることができる学校だとしたら
それはそれで、価値のあることだろう。
副校長の長いお話に、少々、剣呑としたものを感じていたが
同じく、今年、赴任された先生が
前日までの部活の合宿で声を嗄らしてしまって~と断りを入れながら
「進学重点校は都立に7校あります。
ここに集まったお子さんのお顔を見ていると
皆さん、調査書は申し分なく、誰もがこの学校へ入られる力を
持っていらっしゃるように思います。
どうぞ、他の進学重点校も回って、この学校と比較してみてください。
どこの学校も、目指す教育方針は変わりがないと思います。
そういう中で、校舎や環境、生徒の姿をご覧になって
一番、自分に相応しい高校を選択してくださることを願います。
できれば、4月に、この学校で生徒としてお会い出来ることを祈っています」
と、お話くださった。
さらに、できるだけ多くの自校入試作成高校で過去の問題をもらい
それを解いてください~というアドバイスまでいただいた。
「都立標準試験よりも確かに難しいです。
しかし、どの自校入試問題も、同じ都立高校の教師が作成する問題です。
ここの学校だけではなく、そうした、各学校の自校入試問題を解くことで
かなりの力がつきますから~」
こういうアドバイスは、中学の教師からは聞かれない。
むしろ
「自分のレベルいっぱいいっぱいの高校に入ってビリを取るより
自分のレベルより、ひとつふたつ下の高校に入って
トップを取って、推薦で大学に入ればいい」
という、超現実的アドバイスを、中2のこの時期にしてくださる。
高校の先生は
「この時期、上を目指して勉強してください。
今、レベルの低いところでいいや~と手を抜くと
どんどん落ちていきます。
今だからこそ、上に向けて自分を伸ばしていける時です。
受験前日まで、力は伸びます!」
と、おっしゃる。
私も、子どもには、今から妥協した生き方を身につけてもらいたいとは思わない。
校舎内を見学して、大変、残念に思ったことがある。
コンビニ弁当の食べ終わった残骸が
ビニールに入って、廊下の真ん中に捨てられている。
ペットボトルも同様。
階段にもゴミが散らばり
1年生は、しっかり鍵のついたロッカーであるのだが
3年生のロッカーからは、荷物が溢れている。
ここの学校の生徒たちは
学校は、大学へ行くための予備校化した高校と考えているのだろうか?
学校自体への愛情があったら、こんなことはないだろうと
生徒の本音が見え隠れする。
長女の高校は、このような進学重点校ではない。
しかし、自治会と呼ばれる生徒たちの自主的な発案で
「弁当の割り箸は ココ」
「ペットボトルのゴミは キャップを外し、ラベルを剥いて ココ」
「ストローは ココ」
等々、細か過ぎるほどに徹底したゴミの分別を行なっている。
また、中等教育学校が併設されているため
中学生のお手本にならねば~という無言の規律が存在し
制服も校則もない高校でありながら
恥ずかしいと思われる高校生の姿を見たことはない。
学力という、紙の上の選抜試験では、進学重点校の足下には到底およばない。
しかし、私の高校時代の校舎(+改増築された校舎)が
ゴミ一つない廊下や階段であることを見ていると
人格という点で、数倍優れた生徒が通っていると誇りに思う。
この、球場近くの都立高校を見学し、管理職の話を聞くと
次女に相応しい都立高校はここではないな~と感じる。
お話ししてくださった先生には、ぜひとも教えを乞いたいと願うが
自分のゴミでは無いからと、明らかに誰もが汚らしいと感じるゴミを
たくさんの訪問者の来る日にでさえ、片付けることのできない生徒たちだらけの高校は
いくら、ペーパー試験の点数が良かろうと
我が子を通わせたいとは思わないな~と・・・
ちょっと思ったりもしている。
No Comments