国語の力

『人生のほんとう』 池田晶子

2010年10月5日
池田晶子

 

『人生のほんとう』 池田晶子

 

大事なことを

正しく考えれば

惑わされない

迷わない。

 

 


 

「常識」

「社会」

「年齢」

「宗教」

「魂」

「存在」

のテーマで行われた

6つの連続講義。

生と世界の謎を探求する 明晰で感動的な人生

 


 

目次

 

1. 常識 ― 生死について

処世訓よりずっと大事なこと / 根本にある謎 / 人生を見直す視点 / 常識とは何か / 当たり前を生きる強さ / なぜ生きて死ぬのか / 存在の謎に気づく / 見方が逆転する / 人の死は悲しいのか / 一期一会ということ / 死ぬのに死なない / 問うているのは誰か / 人生の公式 / 言葉と定義 / ライフプランという不自由 / たかが人生という覚悟 / 覚めてみる夢 / 不可思議な構造

 

2. 社会 ― その虚構を見抜く

「国家」はどこにあるか / 「思い込み」と「作りごと」 / 戦争はなぜ最大の愚行か / 社会と個人は対立しない / 私は「日本人」ではない / お金というフィクション / 会社のせいにはできない / 血縁の考え方 / 親子の不思議 / 家族という虚構 / 「世間」とは何か / 「皆」と「世論」 / 虚構と自覚して生きる / 心理的な落とし穴 / 愛と孤独 / 理想の共同体 / 精神の革命

 

3. 年齢 ― その味わい方

アンチ・エイジング / 鶴亀だって年をとる / 隠居・長老はどこへ消えた / 「ピンピンコロリ」の矛盾 / 人生の皮肉 / 年齢の秘密 / 経験の意味 / 形而中の味わい / 過去はどこにあるのか / 物語化の欲望 / 中年期以降が楽しい / 「時熟」の味 / 内省する習慣 / 合わせ鏡の構造 / 歴史が面白くなるわけ / 意識の宇宙史 / 私はすでにボケている

 

4. 宗教 ― 人生の意味

宗教はいかがわしいか / 真贋の見分け方 / 宗教を求める心理 / 一神教とは何か / 神のパラドックス / 一神教の限界 / 禅の面白さ / 自分の意志では生きていない / 「信じる」から「気がつく」へ / 科学的般若心経の間違い / 論理で語り得ないもの / 救いとは何か / 何ものでもないという原点 / 大安心とは / 色即是空の意味 / 宗教はメタファーである / 解脱に逢うては解脱を殺せ / お釈迦様は覚ったのか / 一休さんの人生

 

5. 魂 ― 自己性の謎

哲学の向こう側 / 私の嗜好はどこから来たか / 魂のイメージ / 心理学における魂 / ユングの語り方 / エゴとセルフ / 「胡蝶の夢」 / 魂という宇宙 / 唯魂論 / 自我という錯覚 / ヘラクレイトスの断片 / 科学的アニミズムの不気味 / キャラクターの不思議 / 「運命は性格にあり」 / 俗流・亜流のつまらなさ / 成功哲学は行き詰まる / 輪廻転生という型 / 語りの二つの方向 / カルマの物語に巻き込まれるな / 実体ではなく関係性 / 元型としての神話 / ピュタゴラスへの悪口 / プラトンの苦心 / 物語を自覚する

 

6. 存在 ― 人生とはなにか

人間が崩れてきた /ネット社会の悪弊 / 脳ブームと痴呆化 / 多勢に無勢 / 無意識とカタストロフ / 自分さえ善ければ / 「欲をかくな」 / 「時代精神」とは何か / 現代の時代精神 / 不可知のX / 語りのレベル / 謎を生きている自覚 / 池田は死ぬが私は死なない / 縁起と空 / 言葉は沈黙を伝える / 死者の言葉 / 無への言葉 / 若い人は勘がいい / 十七歳からの手紙 / 「メビウスの帯」 / 垂直的な精神 / 可能な限り深く味わう

 


 

「晶子」 という名前は、

与謝野晶子 を 思い起こさせる。

女性の強さ を 感じさせる。

かつて、

私の学んだ

青山学院女子短期大学で

「与謝野晶子」研究をされていた

女性の教授がいらした。

 

彼女はいつも言う。

日が3つで 「あきこ」

日が2つは 「しょうこ」 なのよ。

「あきこ」 は 「晶子」 なの。

「しょうこ」 じゃないのだから

決して 「昌子」 ではないのよ

 

そして、

必ず、試験には

「与謝野晶子」

という名前を書くように

解答用紙の欄が作られていた。

そこまで、先生に言われても、

なお「昌子」と書く学生に

先生も呆れていらしたことだろう。

 

先生の晶子研究への情熱も

研究者としての執拗なまでの想いを感じた。

晶子が好き…

というよりも

晶子を信望する先生の念(おも)いの強さの方が

私を熱くさせ、

勉強にも力が入った。

 


 

与謝野晶子の鉄幹への

自らを燃やすような女の情熱が

 

私の女の部分を熱くさせた。

 

小幡万里子 『人生のほんとう』 池田晶子

 

晶子は、激しい女性で

『みだれ髪』

の溢れる情念は

男性にとって、時に鬱陶しく、

時に驚異を超えて脅威だったとしても

やはり、それだけの愛情を受けるだけの

価値ある男として

鉄幹が、存在することを願われた~

ということは

男として、

自尊心も生きる力にも

支えにもなったのではないだろうか?

と、

私の与謝野晶子論は、

横に置く。

 


 

ブレない生き方~軸を持て~と

声高に、自己啓発を垂れる勝間さんよりも

あくまで、

哲学から離れない

池田晶子氏に

私の持っているものは近しいと感じる。

 

哲学なんて、お金になるような生産的なものではない。

それでもね。

生きる上で、大切なことを考えたい。

なぜ、人は生きるのか…

それが、哲学という学問

 

でも、思うの。

哲学は、学問ではない。

 

哲学は、ヒト~そのものではないのだろうか?

と…

与えられたものに、

感謝の心無しに

与えられることを当然と受け止めて

なんの疑問も持たずにいる人間と

常に、今あるものを、

その存在が、此処に在ることに

感動して、

その理由を、

考え続ける人間と

どちらが、与えられているものに対して

感謝して大切にするのだろうか?

 

考えて~考えて~

 

自分で考えることが大切だと

そんな生き方を哲学と呼ぶのかもしれない。

 

 

 

 

 

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