国語の力

いろはにほへと

2008年10月15日

いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす

色は匂へと 散りぬるを
我が世誰そ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見し 酔ひもせす

「いろは堂」というお店をみつけました。

その時、
「いろはにほへと ちりぬるをわか
よたれそつねなら むうゐのおくやまけふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす」
だと思っていたと、高校生が言い出しました。

ただ、ひらがなの羅列で意味を持っていることを
知らなかったのだそうです。

いろは歌って意味があるのです。

「いろは歌」とは涅槃(ねはんきょう)の中の
諸行無常(しょぎょうむじょう)
是生滅法(ぜしょうめつぽう)
生滅滅已(しょうめつめつい)
寂滅為楽(じゃくめついらく)
の語に基づいて作られたものだと言われています。

香り漂わせ色美しく咲き誇っている花… やがては散りゆく運命よ《諸行無常》
今この生きている私たちの世界は、一体、誰のものでありましょう
永遠にあるものではないのですよ《是生滅法》
この無常で苦しい、有為転変の迷いの奥山を今こそ乗り越えてまいりましょう《生滅滅已》
悟りの境地を得たならば、もはやはかない夢を見ることもなく
現象の仮の世界に酔いしれることもなく安らかな心持ちになるでしょう《寂滅為楽》

平家物語冒頭「祇園精舎の鐘の声、諸行無常のひびきあり」と同じだよ~と。

「あさきゆめみしってどういう意味?」
と聞かれました。

今を生きてることって、歴史の中ではほんのちっぽけな夢のような瞬間ってことかなあ~
と答えると、

「じゃあ、人って何のために生きてるの?」
と聞きます。

自分が生きて、その生き方や心を残せるためかな~?

「子孫を残すってこと?」

う~ん。そうだねぇ。
自分の遺伝子を伝えるっていうのも人間の役割りのひとつかもね。
ママは、あなたたちという遺伝子が残せて良かったと思うよ。

「でも、ママの弟は遺伝子残さないまま、死んじゃったね。」

そうだね。
でも、あなたたちが覚えてくれていることで、
生きてきた意味はあるのかもしれないなって思うなあ。
自分の子どもだけが遺伝子なんじゃないのかもしれないね。
自分と生きている時間をともにして、その中で自分の伝えたいものを
受け取ってくれた人がいてくれたら、それも遺伝子を残すことにもなるのかなあ。

なんだかね。
こんな話を子どもたちと一緒にできるようになったんだなって
嬉しくなりました。

弟にも、
あなたのことを忘れていないよ
って伝わっていることを…
願っています。

 

 

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