研究授業その8 特別支援学級 2006年9月 特別支援教育 の参観
今回は
自分が 参観していいものだろうか?
と悩みながらの参観であった。
特別支援学級には
知的障害
情緒障害
肢体不自由児等がいる。
特に 情緒障害をもつ子どもは、
平常と異なる場面に対して 突然パニックになることもある。
突然に 知らないおばちゃんが来ては
不安にならないだろうか?
最初に 先生が、元気に紹介して下さった。
「おいしい芋煮を持ってきてくれた お母さんですね〜。
覚えていますか〜?」
「は〜い!」
さすが! 先生!
今日は 1年生から3年生まで、
それぞれ分かれて作業をする。
ツーバイフォーを使った ベンチ作り
1年生は 木材への印付けとのこぎりを使っての切断。
2年生は 木材ののこぎりで切断とやすりがけ。
3年生は やすりがけ、かんながけ、組み立て。
のこぎりを使って〜 という授業は
普通学級の生徒でさえも 恐い。
しかし、
先生が ホームセンターで探した
切断の補助具を 使い、
角度をつける切断も 上手に操る。
どの生徒も 一生懸命に 木材を切断し、
やすりをかけ、
かんなをかける。
電動ドリルで 組み立ても 一生懸命にやる。
のこぎりを使う時は
革グローブを 二人の生徒に渡し、
切る者と 木材を押さえる者がはめる。
切り終わると
次の生徒に
「はい、どうぞ」
と渡し、押さえの者が 切る。
1時間を終え、
立派なベンチが1組 出来上がった。
片付けの清掃も しっかりとやり遂げ、
どの子も満足そうな顔をしていた。
検討会では
とにかく 生徒達が
今日は 100点満点で 頑張っていた
と、先生方が 口を 揃えていた。
先生方は 一人一人の生徒の姿を よく見ており、
的確に 声をかける。
作業の前に、自分の切る場所を確認。
「これでいいですか?」
自分の作業が終わったら
「終わりました」
その報告をキチンとさせる。
ふざけ出す子には、
「今、そういうことをしたら危険です!」
と、きっぱりと言う。
上手にできたら
「素晴らしいですね。きれいに出来ていますね。」
と、褒める。
そのメリハリが 本当に 上手で
的確な 言葉かけになっている。
先生方は、
この子達が 進学するにしろ、
就職するに しろ、
こうした 人とのコミュニケーション能力 が 必要であり
作業を通して
物事の手順や、
できた!
という自信を 持たせてやりたいということだった。
そのためには、
のこぎりも 片刃のもので しかも切れやすいように
(切れない刃の方が 怪我をする)
わざわざ 新しい刃につけかえたのだ と言われた。
また、斜めに切るという 高度な切り方も、
補助具を探し、
それを使うことによって 可能になる。
子どもの自信 となるように
やり遂げさせるために、
たくさんの工夫と 準備が費やされていることに
感謝の気持ちが 湧いてきた。
「あの、革グローブは
わざと 二人だけにしか 渡さないのですか?
見ていて、
次の順番の子に
はい。これを どうぞ 〜〜〜 ありがとう
という手渡しと、
自分で グローブを外し、
次に はめる子を 「待つ」という時間も
とても 大切な時間のように 感じたのですが〜」
と お聞きすると、
「はい。そうなんです。
わざとです。
全員に グローブを渡してもいいのですが、
その手渡す という行為と
そして グローブをはめることで、
作業に取り組もうという気持ちを 持たせることができ
そのために、二人に限定して グローブを させているのです。」
「教育の本質は 障害児教育にあり」
という言葉がある
失礼ながら〜と お話しすると、
先生は この言葉を知り、
教師となったからには 障害児教育を経験したいと
ご自分で 研修をされて 志望されたのだとお話された。
中学3年間だけの時間を
無難に 過ごせばいいというだけでなく
子どもの将来、
自立に向け その子その子に 何が 必要かを考えて
教育のための工夫をし、
教師も考える〜 ということは
障害児、一般児童と 分けることなく
本来あるべき姿なのではないかと 感じた。
検討会の後も、
この熱い先生と お話しする時間がもて、
有意義な時間となった。
本当はどの親も、どの先生とも こうして、
教育、子育てについて お話しするチャンスを
無駄にしないで 積極的に 参加してくれたら、
お互いに 腹を探るような 関係ではなく
腹を割って
自分はこう思う〜 では あなたは?
という 問いかけ合いや
コミュニケートが できるのではないかと 思いながら、
帰って来たのであった。
( 2006年9月 )
お時間ございます方は、こちらも ご高覧ください。
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