教育の引き出し 研究授業

研究授業その5 理科1年生 2006年 9月

2006年9月9日

研究授業その5 理科1年生 2006年 9月 中1 理科 身の回りの現象 音

今の中学1年生は 小学校で 音について 学んでいない

今日の授業の目的は

音が どのように伝わるのか

空気中だけではなく

液体や固体を伝わって 音が届くことを

身近な事象から 考察させる。

最初に 先生は ストローを取り出し

グループごとに 個々人

太いストローと 細いストローを選ばせ

「ストロー笛」を 作らせた。

 

子ども達は 生き生きと 楽しそうに 作り上げ、

必死に 音を 鳴らそうとする。

自分のストローから 音が鳴ると、

実に 嬉しそうにしている。

この実験で、

細いものからは 高音

太いものからは 低音

の 音が 出ることを 発見し

ストローの先や 自分の唇が震える ー振動を 感じていた。

 

 

研究授業その5 理科1年生 2006年 9月 中1 理科 身の回りの現象 音

水を入れた ワイングラスの縁を 指でなぞると 水面が揺れ

タンバリン、ギターを鳴らし

そこにも

音が出る時に

振動が大きく関わるということを

生徒達自身で 確認した。


次に 先生の側で 演示実験が行われた。

2つの音叉を用いて

片方から もう片方への 音の伝わりを 確認させ

音叉を 水中に入れた時の様子などを 確認させる。

鳴っているブザーを 透明の容器にいれ

その容器の空気を 抜くことによって

音がどのように 変化するのかをみせる。

この演示実験では、

子ども達から とても活発な意見や リアクションが見られ

実験をすることで

こんな発見があるのだ!

という 子どもらしい目線や 喜びが 見られた。


班の中での グループ討論でも

男女共に 活発に 意見を交換し合い

学年が進むごとに 照れくささで

自分の意見を言おうとしない 上級生の生徒に比べ

1年生は まだまだ素直な生徒が多いのだなあ〜 と感じ

嬉しさを感じた。

 

最後に 再び 先生の側に集まり

小さな小さな音のオルゴールを 机に置き

「耳を近づけてごらん」 

という先生の言葉に

皆、一生懸命に耳をつけ

「聞こえる聞こえる」

と音を聞いていた。

映画「スタンド・バイ・ミー」で

少年達が 電車の枕木に耳を寄せ

「電車が来た!」

というシーンを彷彿とさせた。

研究授業その5 理科1年生 2006年 9月 スタンドバイミー

拙文の私の感想

「スタンドバイミー」 (映画の力)


とても、いい授業だった。

生徒の一人一人、

この1時間 とても楽しく、

そして 自分でいろいろな発見があり、

友達と考え合い、

実に 充実した授業を 受けられたのではないかと思う。

検討会では、校長が

「たくさんの実験もいいが、生徒が もっと考える時間を 持たせてもよかったのではないか」

とおっしゃった。

研究熱心な先生には

より高いところを 目指してもらいたい との苦言だ と思われた。

先生は

「はい。そうですね。
もっともっと 子ども達の たくさんの意見を拾うべきでした。」

と言われた。

が、

私は 保護者として

本当に 十分な 授業を見せていただいた。

黒板への 板書の文字も、

目の悪い子どもが多いこの時代、

大きくて 見やすい字であった。

たくさんの実験も、

どの生徒も 退屈することも無く

一生懸命にやり、

演示実験に 見入っていた。

そして何より、

身近なもので 音の伝わり〜 という意識を もたせることに 成功している。

きっと、この子達は 家に帰って お母さんに

「ストロー貸して」

と ストロー笛を 自慢げに作り、

吹いてみせる生徒が いることだろう。

学校で  学んだことを、

親に 見せてあげたくなるような、

家庭で 学校の授業の話しができるような

工夫ある授業を してくださったことが、

本当に ありがたいことだと感じた。


最後に 教育センターの方が

中学教育の科学的素養の育成として 資料を提示してくださった。

生徒が

考察する時間の確保と 観察・実験の結果を整理する力(言語化したり図式化すること)を 育成するための 授業を 目指して欲しいと。

理科、社会の 教育に関して

教育センターの方も 小学校からの繋がりが断たれ、

何年も 同じ分野が 継続して 学ぶことができないこと。

また、

中学の先生は 小学校で 子どもが どういう授業を 受けているのか 分からず、

小学校の先生も 教えていることが 中学で どう生かされていくのか 理解に乏しいことが とても残念だと言われた。

この、

小学校 〜 中学校の連携 というのは

とても 重要になってくるのではないかと思う。

そして 親は その子どもを 見続けているのだから、

そこで 学んだことが ぶつ切りで 終わらぬよう

家庭で できる

興味への気づきと、

その導きが

大切になるのではないかと 感じて 帰って来た。


中学で 先生方の 熱意ある授業を見せていただくと、

親は のんびりしていて いいのかな?

と 反省することが たくさんある。

こんなにも 子どもが 喜び 楽しむ 学びがあるのならば、

好奇心を くすぐる経験や

興味あるものへの応援は

家庭でも たくさんできるのではないだろうか〜

と思うのである。

この理科の教諭は 女性であるけれど、

実に 堂々とした実験と

女性特有の生徒への 細かい気配りをされる方である。

普段、

陽の当たらないメンバーで

理科だけは 頑張っている生徒に 活躍の場を与えたり、

その授業で 普段は 目だたない生徒が

グループ討論で 自分の意見を 話している姿をみつけ、

皆の前で発表させる。

そうした生徒の 伸ばす芽を

みつけてくださる先生がいらしゃるということに

感動して 帰って来た〜 その日だった。

( 2006年9月 )

 


 

お時間ございます方は、こちらも ご高覧ください。

教育の引き出し 研究授業

研究授業その5 理科1年生 2006年 9月 を含む 19回 + まとめ を一度にご覧いただけます。

 

 

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