センター試験 1日目 終了☆
毎年、国語の試験は チェックする趣味があります。
今年の出題
齋藤希史 『漢文脈と近代日本』
岡本かの子 『快走』
『源氏物語』 (夕霧)
陸樹声 『陸文定公集』
漢文好きの私としては、
評論も 漢文、
そして、4問目の 漢文も、
鼻歌交じりで解いてしまいますが、
漢文苦手な受験生にとっては、
厳しかったかもしれませんね。
それにしても、
まさかの 岡本かの子と
源氏物語 とは!
岡本かの子 の小説も、
すでに、受験生にとっては古文体かもしれません。
出てくる単語も、すでに時代として古いといえば古く
(「銀ぶら」とか、「パンツ – 運動用のズボン」という注釈とか、「書簡箋」等)
さらに、
「俺たちは 案外 まだ 若いんだね」
「おほほほほほほほほほほ」
「あはははははははははは」
が、出て来たら、
私は、笑い出してしまうかもしれません(苦笑)
そして、3問目の古文の『源氏物語』
浮気した夕霧に怒って実家へ帰る 雲居の雁 との いざこざが描かれています。
読み物としては 面白いのですが、
センター試験の問題にする素材であるのかは、
疑問に感じる 一市民ではあります。
(こういうご家庭も、日本にはいっぱい存在してるしね)
結局、いつも思うのは、
この センター試験 で、一体なにを計っているのかな?
受験生の何が見えるのかな?
って、ところです。
自分の大学に入ってもらいたい学生を選ぶために、
自分の大学で問題を作って、
自分の目で選ぶべきじゃないのかなあ~と、思うのです。
センター試験 は 明日が2日目。
全国的に雪が心配されています。
不安が寒さで大きくならないように・・・
精一杯の自分が出せるよう、みんな、がんばれ!
国語の問題 東進ハイスクール
閑話休題
岡本かの子 『快走』のラストの段
道子には友達からの手紙は手渡されなかったし、両親の相談なぞ知るよしもなかった。
初出 : 「令女界」1938(昭和13)年 12月号
第二次世界大戦の始まる前年に発表された小説である。
女学校を卒業した子に届いた 友達からの手紙を、
子に見せず、親が こっそり開封した時代。
道子には友達からの手紙は手渡されなかったし、両親の相談なぞ知るよしもなかった。
子が(特に女子) 親の所有物 であるという感覚が
この時代には 当たり前であったことが 読み取れる。
昭和 8年(1933年) 「児童虐待防止法」が 制定された。
満州事変を皮切りに、国際連盟脱退など、日本は国際社会で孤立しはじめ、
この年 4月、「陸軍飛行学校ニ於ケル生徒教育ニ関スル件」(勅令第68号)が公布され、
同年 8月1日 施行された。
長い歴史の中で、日本人にとって子どもは 親の所有物 だった。
貧しいからと子どもを間引いたり、
テレビ番組「おしん」のように、生活のために 子を売り飛ばすこともしてきたのだ。
親が生きることが辛ければ、自分の分身である子どもを残しては死ねないと(言い訳し)、
子を道連れに 親子心中をした。
しかし、世界中を敵にまわし、戦わねばならなくなった時
国は 子どもさえも戦力にした。
子どもは お国の大切な戦力として 大切にすべし!
親であっても 子どもを 勝手に殺してはならない!
という声が上がってきた。
そこで、陸軍は 少年航空兵制度を進めてきたのである。
昭和 14年(1939年)に発行された
『児童愛護思想並児童保護施設普及に関する参考資料』(中央社会事業協会)によると
昭和 2年(1927年)7月から 昭和 10年(1935年)6月までの 8年間で
親子心中は 1735件
亡くなった子どもの数は 2700人。
平均すると、1年間に 337.5人の子どもが親に殺されていた。
貧しい時代ゆえのことだったからだろうと思うだろう。
しかし、データとして残る 親子心中の理由は
「生活困窮」が 460件とトップ
しかし、割合でいえば 全体の26%に過ぎず、
「家庭不和」(322件)
「精神異常」(298件)など
現代社会となんら変わらぬ理由が並んでいる。
見方を変えれば、それまでの家族間の子殺しが
国をあげての 合法的 子殺し に変わっただけ
ともいえるかもしれないが・・・
そんな風に センター試験をきっかけに
考えたり
調べたり
他の文献を探したり
學ぶことを 広げてみると
おもしろい。
芸術は爆発だ!
の
岡本太郎 の母。
かの子。
普通の女性でない女性。
その彼女の他の作品を読んだり、
息子の太郎の芸術作品を観たりするのも
おもしろい。
もしも 私が・・・
文科省の縛り(つまり 学習指導要領ってことね)に 関係をもたなくていい教育者だったら・・・
センター試験に出た国語問題を中学生に解かせ
(中学生でも全問正解できる内容だと思う。漢文はコツがいるかもしれないけど)
問題をきっかけに、教えたいことが どんどん広がっていく時間を作りたい。
どうして、岡本太郎が敏子を妻ではなく養女にしたのか・・・ とか。
太郎の作品を観て 俳句を作ってみよう・・・ とか。(短歌や詩でもいいけど)
学問って
學びを問うって書く。
學びって、問い続ける禅問答みたいなものではないかな?
次から次へと なんでだろう? を 重ねていくこと。
教養って
教えを養うって書く。
教育でたくさんの知識を得たものを
小さな種が 大きな樹に育ち 果実として実る または 次の種を生み出す
そんな風に 大きくなるだけでなく
未来に継ぐことのできる知恵 を 身に着けることを
教養というのではないかな・・・
って 思う。
よろしければ、こちらもご高覧ください。
お時間ございます方は、
COCORO にある FOR WHOM THE BELL TOLLS – 誰がために鐘は鳴る の
拙文をお読みいただけましたら幸いです。
特に 教育 を テーマに記した 拙文については こちら を ご高覧いただけましたら幸いです。
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